遊泳細菌の密集時に起きる集団運動の発生メカニズムの理解と運動の制御を目指した研究を行った.(1)マイクロマニピュレータを用いて極細ガラス棒を操作することにより,寒天培地上に大きさ数十μm程度の円形プールを作成し,細菌の集団運動を閉じ込めることに成功した.(2)誘引物質を充填した毛細管の先端に細菌が集積する様子を観測した.誘引物質に近づく方向に遊泳する時は,細菌の方向転換の頻度が下がる(0.5 Hz → 0.3 Hz).(3)集団運動する細菌懸濁液に微粒子を混合し,微粒子の動きと周りの細菌の動きとの関係を調べた.微粒子の平均二乗変位はブラウン運動とは異なり,時間間隔の1.7-1.8乗に比例する.
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