研究課題/領域番号 |
15K17993
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
成川 輝真 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50424205)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 衝突安全 / 歩行者保護 / アクティブバンパ / 直列弾性アクチュエータ |
研究実績の概要 |
荷物を搬送する小型無人移動車両が歩道や建物などの日常空間を移動した際に歩行者との接触事故を完全に無くすことは困難であり,万が一,小型無人搬送車が歩行者と接触した場合においても,歩行者に傷害を負わせないためのアクティブバンパの開発を目的とし,平成27年度においてアクティブバンパの基本設計を完了し,アクティブバンパの最適な発生力を導出し,アクチュエータとバンパの間に弾性要素を直列に配置した直列弾性アクチュエータを用いたアクティブバンパについて開発を進めた.直列弾性アクチュエータを用いたアクティブバンパを製作し,直列弾性アクチュエータに用いる弾性要素の剛性が衝突時の衝撃緩和性能およびバンパの移動量に与える影響について検証した.製作したアクティブパンパを用いた検証実験を行うことで,直列弾性アクチュエータを用いたアクティブバンパの利点が明らかになりつつあり,衝突を予知して衝突前からアクティブバンパを動作させることの有効性などバンパの発生力を能動的に制御できることの利点を利用する方法について検証段階にある.また,頭部,胴体,脚部からなる1歳児を模擬した歩行者ダミーを試作したが,安全に衝突実験を行う環境が構築できなかったため,軽量化した歩行者ダミーを用いて検証試験を行い,安全かつ妥当な衝突実験を行うための方策を検討した.この知見を基に,次年度においてアクティブバンパを有する小型無人搬送車の衝突安全性能評価実験を行う方法について検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度研究計画において1歳児を模擬した歩行者ダミーを用いて衝突実験を行い,アクティブバンパによる歩行者保護性能を検証する予定であったが,安全に衝突実験を行う環境が構築できなかったため,アクティブバンパを用いた衝突実験が未実施となっていることから,現在までの進捗状況は(3)やや遅れている,と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
歩行者ダミーを用いた衝突実験は当初の予定よりも困難であることが判明したため,安全かつ妥当な衝突実験を行い,アクティブバンパーによる衝突安全性能を検証するために,妥当性を損なわない範囲で被衝突物をより簡易な機構にして衝突実験を行う予定である.また,研究計画の通り,ステレオカメラなどによる歩行者の測定技術が進歩することを想定し,歩行者と無人搬送車の状態量を用いたアクティブバンパの制御方法を構築し,高い衝突安全性能の実現を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
無人搬送車とダミーを用いた衝突実験の進捗がやや遅れていることで,その分物品費が当初の予定よりも少なくなったため次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
衝突実験環境の構築のための物品費として使用する予定である.
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