本研究では,手術支援ロボットにおいて,アームの干渉などを防ぐために,従来のロボット鉗子よりも自由度の高い多自由度鉗子を開発した。それぞれ2自由度の肘関節と手首関節,すなわち合計4自由度を有する鉗子を試作した。実用化を考慮してアクチュエータのある駆動部と作業を行う鉗子部を分離できるように,クランクと磁石を用いた着脱機構を提案した。 また,このような多自由度アームを操作者が容易に取り扱えるシステムの実現を目指し,1台のマスタ(操縦装置)を用いて2本のロボット鉗子を操作する制御手法を開発した。運動学情報と力覚情報を用いて,縫合針の刺入を検知し,一方の鉗子から他方の鉗子へと縫合針を自動で受け渡した。
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