研究課題/領域番号 |
15K18013
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
加藤 健一 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (70553600)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | チューブポンプ / 脈動抑制 / モデリング / 繰返し制御 / 実機検証 |
研究実績の概要 |
U字状に曲げられたチューブを複数のローラによって押しつぶし,そのローラを公転させることによってチューブ内の液体を移送させるチューブポンプは,その構造上,すべてのローラが同様の速度で公転するため,ローラがチューブから離脱する際のチューブの復元体積分に相当する液量を補填できず,その送液は,瞬間的な流量・流速低下,さらには逆流を伴う脈動流となることが知られている.本研究では,このポンプの脈動モデルを構築し,繰返し制御によるその低脈動流化の実現を目的としている. 平成29年度は,これまでに行った内容,すなわち脈動モデルの構築,繰返し制御を用いた実機検証,非円形歯車を併用した単一モータでの実機検証を整理し,学術論文として投稿した(平成30年5月21日現在査読中).非円形歯車の設計についての詳細な記述を加え,従来のポンプと比べて低脈動流化が実現できること,ただし種々の仮定との乖離が大きいと脈動流が発生してしまうことなどを整理してまとめた. 平成30年度においては,引き続き流量計からの情報をフィードバックして用いることにより,より良い脈動低減化が図れないか検討したい.ただしその場合,そのフィードバック情報をもとにどのように複数あるローラを動かせば良いのかが問題となり,未だその制御手法についての決定的な打開策を見つけることができていない.このため,他の研究者に助言を求めるなど,研究の前進のため努力していきたい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目標の一つである単一モータによる低脈動流化は実現できたものの,もう一つの目標である複数モータを協調させることによる低脈動流化の実現の目処が立っていないため.
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今後の研究の推進方策 |
協調制御,機械学習等の面から有効な手法がないか引き続き調査を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度国立高等専門学校機構在外研究員として,平成29年3月1日から平成30年2月28日までの1年間,カナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)に滞在し,実験が行える設備環境から離れて研究を行ったため.
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