電荷秩序に起源を持つ電子型強誘電体RFe2O4(R:希土類)は、マルチフェロイック特性と電気磁気効果を示し、超高速・極省電力応答素子への応用が期待されるが、電荷秩序構造の制御が困難である。本研究では、薄膜化による電荷秩序構造の制御を目指した。 配向性の高いYbFe2O4薄膜の作製に成功した。電荷秩序構造の制御には課題が残ったが、超低酸素分圧での成膜が有効であることがわかった。 また、本物質の応用可能性をさらに広げるため、バルクにおける研究も並行した。電荷秩序の変調によりフェルミ準位を制御できることを明らかにした。これは、新しい現象であるうえ、安価で組み合わせ自在な半導体素子への応用につながる。
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