ダイヤモンドは、SiC,GaNを凌駕する半導体物性値を複数有することから、次々世代の超低損失パワー半導体材料として期待されている。実用縦型デバイス構造では低抵抗ウェハが必要であるが、従来のCVD法では煤の発生、ドーピング効率の低下など結晶成長の不安定化が問題となっていた。本研究では、大面積合成に優位性のある熱フィラメントCVD法に着目し、高濃度ホウ素ドープによる低抵抗ウェハの作製に取り組んだ。その結果、1E21 cm-3を超える超高濃度ドープに成功し、ミリΩcm級の低抵抗ウェハを実現した。結晶品質は市販絶縁ウェハと同等であり、縦型ショットキー構造で高い整流動作を確認した。
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