自動運転や自律歩行ロボットを実現する上で、物の動きや位置関係を把握する空間認識は必要不可欠である。本研究では、電力性能比に優れた空間認識システムの構築を目的として、視覚刺激の移動に基づいて空間認識を行う運動立体視の神経回路網モデルの機能をLSI化した。膨大な神経配線を限られたチップ面積内に実装するために、モデルの処理ステージ毎に最適な仮想配線方式を採用した。また、試作したLSIの実環境性能を検証するためのリアルタイム空間認識システムを構築した。その結果、接近する物体に対応したオプティカルフローを毎秒30フレームで検出することに成功し、一般的なCPUに比べて100倍以上の電量性能比を達成した。
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