本研究では、受信機フロントエンド部分をフィルタバンクによって分割する、マルチバンド型受信機の開発研究を進めた。その要素技術として、400 GHz帯周波数マルチプレクサ、および、従来比3倍以上の広帯域IF(中間周波数)帯域幅を有する超伝導ミキサの開発に成功した。また、それらを組み合わせて3バンド受信機評価系を構築し、原理実験を実施した。その結果、約200 Kという低雑音特性が得られ、受信機がほぼ設計通りに動作していることを確認した。また、回路の集積化や最適化によってさらなる性能向上が可能であることも示した。以上の結果から、マルチバンド型受信機が同時受信帯域の広帯域化に有効である見通しを得た。
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