研究実績の概要 |
平成29年度は、昨年度までに提案したUniversal Time-domain Windowed Orthogonal Frequency Division Multiplexing(UTW-OFDM)方式の実用化を目指して、ソフトウェア無線機を用いたリアルタイム波形整形装置を開発し、商用のOFDM送信機の外部に接続することでUTW-OFDM信号化することに成功した。開発波形整形装置では、商用OFDM送信機から送出されたRF信号を入力し、一度ベースバンド帯までダウンコンバートした後、A/D変換を行い、時間軸窓処理を行う。その後、再度元のRF信号帯までアップコンバートし再送出する。処理遅延は1us程度で実現可能である。 開発したリアルタイム波形整形装置を組み込んだデモンストレーションシステムを構築し、実験室環境における実機実証評価を行い、その有用性を示した。提案UTW-OFDM方式により、商用OFDM送信機の送信信号について、その帯域外輻射をリアルタイムに数十dB以上抑圧することに成功した。 開発したデモンストレーションシステムは、電子情報通信学会スマート無線研究会の技術展示に出展し、平成29年度の技術特別賞を受賞した。また同内容について、国際会議IEEE pimrc 2017(2017 International Symposium on Personal, Indoor and Mobile Radio Communications)にて発表を行なっているほか、その要素技術については国際会議WPMC2017(The 20th International Symposium on Wireless Personal Multimeadia Communications)において発表を行なっている。
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