研究実績の概要 |
本研究課題では, 航空無線に適したマルチユーザMIMO (Multiple Inputs and Multiple Outputs)方式について検討し, 通信の信頼性向上と長距離通信への適用を目的としたSpace Time Block Coded - Continuous Phase Modulation (STBC-CPM)方式の提案を行った. 本研究課題で着目しているContinuous Phase Modulation (CPM:連続位相変調)方式は, 変調信号の包絡線が一定であるため, 長距離通信を行う航空無線に適している. これを複数アンテナを用いた信頼性向上のためのMIMO方式であるSpace Time Block Code (STBC:時空間ブロック符号)と組み合わせることで, 従来方式よりも信頼性の高い航空無線通信システムの実現をめざした. 最終年度は, 前年度までに提案した8送信アンテナの場合のSTBC-CPM符号化方式に関して, 追加のシミュレーションを実施することにより, 提案方式の有効性を確認し, 査読論文として最終のとりまとめを行い投稿した. また, ソフトウエア無線プラットフォームを用いた評価環境の構築を実施した. さらに, 構築したソフトウエア無線プラットフォームを活用し, 複数周波数に対応した統合型航空無線通信端末についての基礎検討を実施した. 近年, 送受信アンテナを多数搭載したMassive MIMOが注目されている. 今後の研究展開として, 本研究成果と構築したソフトウエア無線プラットフォームを発展させることで航空無線へのMassive MIMOの適用可能性についても検討していきたい.
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