研究実績の概要 |
平成29年度は, まず, 前年度までに提案していたゲインスケジューリング型の周期外乱オブザーバによる, 周期脈動抑制のためのパワーアシスト制御法の検証に取り組んだ. この手法に関しては, 電動アシスト自転車に実装した実験で得た, バッテリー電圧の降下抑制効果の検証結果をまとめた論文が論文誌JCMSI(SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration)に掲載さている. 同じく, 変動周期信号の予測についても前年度に引き続き取り組んだ. こちらについては, 適応的時変季節性ARモデルにより自転車のペダリングトルクの推定をおこなっており, 推定結果を第26回計測自動制御学会中国支部学術講演会で共著者として発表した. これに加え, ゲインスケジューリングという観点では, 質量が時変かつ不安定な制御対象を計測誤差が存在する条件の下において, 視覚フィードバック制御による安定化についても検討している. 平成29年度は制御設計法ならびにアーム型倒立振子の運動モデルを用いた数値シミュレーションの結果を国際会議ASCC2017(The 2017 Asian Control Conference)で発表した. また, 研究期間終了時点では対外発表には至っていないが, 制御系の設計法が有する保守性の低減とアーム型倒立振子実機を用いた検証を進めている. 同様に期間終了時点では対外発表には至っていないが, 周期脈動の抑制という観点ではチューブポンプの吐出量に内在する脈動の抑制について検討し, 検証機器を作製した.
|