本研究は,河道内砂州植生域が,洪水により運搬されてきた砂や粒状有機物を捕捉する現象に着目し,①それらの堆積機構をモデリングすること,②粒状有機物(植生種子,落葉,落枝等,以下POMと記載)が堆積した後に砂州植生の栄養分となるに至る分解過程を把握することを目的としている.研究は,(1)洪水による砂・POM堆積特性変化の現地観測とPOM分解の現地実験,(2)植生域縦断方向での掃流砂・粒径別POMの堆積機構の水理実験,(3)水理モデルと連携させた粒径別POM輸送モデルとその分解モデルの構築,に分割して実施し,(1)と(2)で得られた情報を基に,POMの輸送と分解過程を解析可能なモデルが完成した.
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