東京湾沿岸部にある建物屋上に設置したXバンドの船舶レーダーを用いて,高時空間分解能(約2秒,12m分解能)で降雨の鉛直分布観測を実施した結果,以下の成果を得た.(1)雨滴が上空で確認され地上に到達するまでの降雨のリードタイムを評価した結果,強い降雨(対流性降雨)であっても地上に雨滴が到達する約10分前に降雨予測をできる可能性が示唆された.(2)降雨エコーをトレーサー粒子としたPIV解析から発達中の対流性降雨の内部では雨滴落下速度が局所的に-4~+4m/sと激しく変動していることがわかった.(3)局地的大雨前後の上空風変化から降雨直前に強い上昇流が発生していることが示された.
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