本研究では高齢者の運動の有無による身体能力と交通事故の関係に着目した.まず,65歳以上の高齢者を対象として大規模なアンケート調査を行い,特定の運動を行っている場合,運動をしていない場合と比較して道路上で自動車に出会った場合の回避行動がとれている可能性が見られた.さらに,テニスを行っている高齢者と運動していない高齢者を被験者とした道路横断シミュレーションを利用した実験を実施した.その結果,テニスをしている高齢者は道路を横断している最中より多くの回数左右確認をしているなど,事故を回避するための能力がある可能性が示唆された.
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