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2015 年度 実施状況報告書

レーン・マネジメントに資する所要時間分布推計システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K18132
研究機関名古屋大学

研究代表者

金森 亮  名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (40509171)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード所要時間予測 / プローブデータ / 粒子フィルタ / 交通流シミュレーション
研究実績の概要

本研究の目的は,ナビゲーションシステムの高度化に向けて必要となる,車線単位の所要時間分布の推計システムとして,1)所要時間蓄積データを直接利用する粒子フィルタの適用(数分程度先の予測),2)交通需要とサービス供給の不確実性を考慮し,観測データを入力条件としてシミュレーションする確率的CTMモデルの改良(数時間先の予測),を行うことである.
本年度は名古屋市中心部の市販タクシープローブデータを購入し,リンク通過所要時間の蓄積データに対する右左折車両の影響を分析し,特に直進と右折時では対向車両の有無や信号現示の違いからデータ特性が異なり,車線単位の所要時間推計には右左折車両の影響は無視できないことを確認した.従来のリンク通過所要時間は直進・右左折をまとめてデータ蓄積していたが,直進・右左折の区別は,個々の車両軌跡として次の走行リンクの接続情報を付加することで可能となる.
さらに直進・右左折を区別したリンク通過所要時間の蓄積データの有効活用ができる推計手法として,メモリー・ベース粒子フィルタの適用を目指し,データ収集間隔が大きい(プローブ普及率が低い)場合でもリンク通過所要時間の推計ができるよう検討を行った.
また観測データを入力データとしたシミュレーションに用いる確率的CTMモデルについてもより効率的なアルゴリズムを検討した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画の通り,交通流シミュレーションの比較的容易な入力データとしてタクシープローブデータに着目し,基礎分析として車線別のリンク通過所要時間の特性が異なることを確認した.また実データの利用を想定した所要時間推計モデルや交通流シミュレーションの検討を行い,既存モデルの改良に着手できた.

今後の研究の推進方策

来年度は,直進・右左折を区別したリンク通過所要時間の蓄積データを用いたメモリー・ベース粒子フィルタの適用による所要時間推計について成果を発表すると共に,交通流シミュレーションの実行に向けてデータ整備,計算アルゴリズムの改良を行う.

次年度使用額が生じた理由

大規模なプローブデータ分析に高性能の計算機購入を予定していたが,より安価な計算機購入で作業ができたため.また,プローブデータ整備に関して,当初想定していた作業がなされた状態のデータ購入が可能となり,データ整理補助員費が不要となった(データ購入費は少し高くなったが,全体では研究費を削減できた)ため.

次年度使用額の使用計画

初年度の分析結果を学会等で積極的に発表すると共に,実都市を対象とした交通流シミュレーションの実行を目指す.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Modification of a Stochastic Cell Transmission Model for Urban Networks2016

    • 著者名/発表者名
      Sho Tokuda, Ryo Kanamori and Takayuki Ito
    • 雑誌名

      International Journal of Intelligent Transportation Systems Research

      巻: Online ページ: 1-12

    • DOI

      10.1007/s13177-015-0122-7

    • 査読あり

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公開日: 2017-01-06  

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