都市沿岸域におけるブルーカーボン機能の活用には、炭素動態における基礎生産者による寄与を把握することが重要となる。本研究は、都市沿岸域に造成された人工干潟を対象に、干潟干出面と海水面におけるCO2収支を明らかにするとともに、干潟内の炭素動態における植物プランクトンの炭素吸収効果を評価することを目的とした。干潟干出面と海水面におけるCO2フラックスの24時間観測結果から、当該人工干潟は全ての季節でCO2の吸収源となっており、干出面に現存する底生微細藻類の影響が大きいことが明らかとなった。一方、海水中の炭素動態における植物プランクトンの寄与は1から3割程度と推定された。
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