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2015 年度 実施状況報告書

壁土の圧縮強度を混練時に推定する調合設計法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 15K18164
研究機関明石工業高等専門学校

研究代表者

荘所 直哉  明石工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50413810)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード土塗壁 / 壁土 / 調合設計
研究実績の概要

土塗壁に使用されている壁土の材料特性の分析と圧縮実験を実施した。材料特性の分析として,これまでの自身の既往研究で圧縮強度を把握している壁土(実際に耐震改修等で用いられたもの)の材料特性の分析を実施した。分析項目は気乾含水率、スサ含有率、ふるい分け試験および沈降分析による粒径分布等の把握を行った。並行して左官業者に協力を仰ぎ現場で利用されている壁土の提供を受けた。提供いただいた壁土は兵庫県淡路産,山口県産,埼玉県産の粘土をベースとした壁土である。なお,砂質土は川砂である。壁土の調合や混練は左官職人が通常通りの作業手順と分量で行っていただいた。提供をいただいた壁土は材料特性分析用と圧縮実験用の試験体に分けて乾燥させた。乾燥後に各種材料分析と圧縮実験を実施した。
材料特性の分析の結果,次のことが分かった。(1)スサ含有率は約0.2%~0.7%程度である。(2)粒度分布測定の結果,全体の土に占める細粒分含有率(粒径0.075mm未満)は30%~45%が多いことが分かった。ただし埼玉県産の粘土による試験体の場合は70%~80%であった。細粒分含有率において,埼玉県産の場合のみ含有率が高くなった理由は今後の検討課題である。提供を受けた壁土による圧縮実験を行った結果,これまでに確認できていた結果の傾向(単位体積質量の高い試験体ほど最大圧縮応力度は高くなる)が再度確認できた。
これらの結果を用いて種々の材料特性と乾燥後の単位体積重量の因子分析を実施する予定であったが,材料特性の分析に遅れが生じたため次年度に実施することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年度当初に計画していた材料特性の分析や圧縮実験はすべて実施できた。これらの豊富な情報があれば平成28年度に予定している各種材料をパラメトリックに調合して作成する壁土試験体の実験計画を構築できる。ただし,各種材料特性と圧縮強度特性との因子分析の実施ができていないため,これらは早急に進める必要がある。この因子分析結果を基に平成28年度の各種材料をパラメトリックに組み合わせた試験体作成計画を構築し,圧縮実験を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

平成28年度は次に記載する研究内容を予定している。
平成27年度の研究成果を基に,圧縮強度特性に影響が大きい種々の材料特性をパラメトリックに変化させた試験体を作成する。その後,圧縮実験を実施して圧縮強度特性を把握する。これらの実験結果と既往の研究結果を統合し,統計的再分析を行うことで調合設計法を構築する。

次年度使用額が生じた理由

調査旅費と計上していた予算で若干差額が残る結果となった。これは左官職人に対するヒアリング調査で先方に出向いて実施する予定としていたが,好意で本校に来校していただきヒアリングが実施できたためである。

次年度使用額の使用計画

平成28年度に左官職人に対するヒアリングを追加して調査実績を増やすことに使用する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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