本研究は、夏季午前中の通勤時間帯の都心部の歩道を対象に、移動実測とシミュレーションによって、樹木の日射遮蔽効果が期待される場所を抽出し、特徴別に分類し、その結果を地図上に可視化した。具体的には、移動実測では、気温と平均放射温度を道路方位別に分析し、樹木の日射遮蔽効果が高い街区の実態を把握した。熱環境シミュレーションでは、実在する13街区で計算し、歩道上の日陰の割合と、平均放射温度の関係を分析した。樹木の日射遮蔽効果は、歩道面積に対し最大40%程度であり、歩道に木陰が形成されない街区もあった。以上を踏まえ、歩道上の日陰の割合、平均放射温度と気温差から、対象街区に対する熱環境対策マップを作成した。
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