本研究は、今後超高齢社会において展開が期待されるリビングアクセス型住宅が、コミュニティ指向性とプライバシーを両立し、成立するための条件として、フロンテージおよびリビングの縦横比と室配置との関係を明らかにした。特に、フロンテージおよびリビングの縦横比には境界値があり、それを超えると必要な生活空間の確保が難しくなることが居住実態調査から分かった。さらに、隣接住戸数や、中間領域と室内空間の相互関係、中間領域を構成する素材も、開放度とプライバシーの確保に関連し、敷地形状および地域特性に応じた適切な全体構成の選択が必要であることを示した。
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