研究課題/領域番号 |
15K18174
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
花里 真道 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (00608656)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 健康なまちづくり / 都市計画 / 建築計画 / 都市構造 / 社会参加 / 建造環境 / 疫学研究 / コホート調査 |
研究実績の概要 |
本研究では“健康と都市構造・社会参加の相互連関”に着目する。まず、平成27年度に国内外の関連研究をレビューし、相互連関を評価しうる指標を抽出する。次に、平成28年度に母子コホート調査および高齢者コホート調査に参加し、健康と都市構造・社会参加の3つの観点からなるデータを得る。そして、平成29年度にこれらデータの統計解析を実施する。以上のプロセスにより“健康と都市構造・社会参加の相互連関”の構造を明らかにすることを目的とする。平成27年度には主に、「1.国内外の関連研究や政策決定機関のレポートを整理し、相互連関を評価しうる指標を抽出すること」、「2.コホート調査の準備」「3.平成28年度解析のプレ解析」の3点を実施した。平成28年度は、主に母子コホート調査および高齢者コホート調査の実施とデータ収集をおこなった。母子コホート調査からは、児の出生体重や親のBMIなどの情報を、都市構造に関するデータとして緑地環境(Greenness)などを抽出した。高齢者コホート調査については、全国30市町村を対象として約20万規模の高齢者からの質問紙データを得る日本老年学的評価研究プロジェクトに参加しデータを得、データクリーニングをおこなった。最終年度解析にかかるプレ解析では、「高齢者における身体的虐待と幼少期の逆境体験の関連について」、「高齢者の転倒と地域環境の関連」、「地域診断時に活用する地図の空間補間に関する研究(地域別の社会参加の状況)」、「地域診断時に活用する地図の空間補間に関する研究(空間補間法の予測精度の検証)」などを実施し学会にて発表した。また、昨年度作成した傾斜角度データを活用した、心臓病リスクと地域環境との関連を分析した研究について共著者として論文発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおりコホート調査を実施した。解析では、健康と地域環境との関連について日本建築学会、日本公衆衛生学会および英文論文で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
都市部、郊外部、農村部ごとに都市構造の違いが現れるため、層別化した分析や解析対象とする地域を絞る必要が考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金として計上していた費用について、作業内容の見直しおよび適正化を図り、次年度のデータ整理および解析の拡充をはかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度にデータ整理および解析にかかる謝金として使用する計画である。
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