研究課題
本研究では“健康と都市構造・社会参加の相互連関”に着目する。平成27年度に国内外の関連研究をレビューし、相互連関を評価しうる指標を抽出した。次に、平成28年度にコホート調査に参加し、健康と都市構造・社会参加の3つの観点からなるデータを得た。そして、平成29年度にこれらのデータの統計解析を実施した。高齢者コホートを活用して、介護認定を受けていない高齢者の健康要因として健康度自己評価、抑うつ傾向を用いた。対象地域(331校区)の高齢化率を考慮した地域相関分析では、都市構造として都市度を代表する指標、可住地人口密度(Population density)と社会参加は正の相関を示し、健康度自己評価についても正の相関を示した。一方抑うつ傾向については、相関関係はみられなかった。歩きやすさ(Walkability)を表す指標として、車道に対する歩道の面積割合については可住地人口密度と同様の傾向であった。地域の傾斜角度(Land slope)については、社会参加、健康度自己評価、抑うつ傾向と相関関係はみられなかった。本研究で構築したデータセットを活用し多変量解析で個人の健康と地域要因の関係を分析した。例えば、高齢者の閉じこもりと地域の歩道の関連についての学会発表がある。また、傾斜角度データを活用し、地域環境と糖尿病の関連を分析した研究の共著者として論文発表した。さらに、可住地人口密度データを活用し、地域レベルのスポーツの会参加率と個人のうつの関連を分析した研究の共著者として論文発表した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
Medicine & Science in Sports & Exercise
巻: - ページ: -
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