光は屈折率の異なる材料に当たる時、屈折率の違いに応じて反射が生じる。透明に見える一般的なガラスでも、片面で4%程度の光が反射する。本研究では、光を有効に使えるよう反射損失を低減するため、ガラスの表面及び内部に微細な屈折構造を形成する方法について研究した。ガラスは硬度・軟化温度が共に高く、従来、微細な構造の形成は容易ではなかったが、本研究で提案したコロナ放電を用いた選択堆積法により、腐食性ガス等を用いずに200℃程度の温度下でガラス上にSiO2の微細構造を形成できた。また、厳密結合波理論を用いたシミュレーションにより、ガラス表面と内部の屈折構造による反射の抑制に関する知見を得ることができた。
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