p型ドーパントとしてBを1%添加したSiとCoを液体急冷法で急冷したのちに放電プラズマ焼結法によって焼結することで、Si母相中に100-500 nm程度のサイズのCoSi2のナノ粒子を微細に分散させたようなナノ構造を自己組織的に構築することに成功した。CoSi2はNiSi2と同じくSiと整合界面を形成することが期待される物質である。このコンポジット材料の熱電特性を評価したところ、ゼーベック係数や電気伝導率はほとんど影響を受けていないにも関わらず、格子熱伝導率は低減し、熱電性能指数ZTが最大で20%ほど向上したことが明らかとなった。
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