水素助長損傷発達挙動解析および水素可視化技術確立に主眼を置き、以下の成果を達成した。①種々な複相鋼の損傷発達曲線を作成することで、安定オーステナイトが水素由来損傷を有意にアレストすることを見出した。つまり、BCCマルテンサイトなど耐水素感受性が高い相が存在していてもオーステナイト領域で損傷成長は止まり、破断に至らない。②電子チャネリングコントラスト法を用いて双晶や転位を結像することで、薄板状マルテンサイトの損傷形成機構を明らかとした。③ケルビンプロ―ブおよび銀デコレーション法を用いてマルチスケールかつ時間分解能を有する水素可視化技術を確立した。
|