マグネシウム合金の底面すべりと柱面すべりのすべりの異方性に着目し、高加工性マグネシウム合金設計指針の構築を試みた。まず、第一原理計算から各マグネシウム合金のすべりの異方性の指標となるパラメータを導出した。計算モデルのマグネシウム合金を実際に作製し、成形性評価を行った結果、一部の例を除き、第一原理計算から算出されるすべりの異方性が低いものほど、実際の成形性がよい、という結果を得ることができた。異方性の指標と成形性が対応しなかった例については、底面・柱面すべり以外のすべりが起こっていることがわかり、高加工性合金の設計のためには、さらに異なるすべり系を含めた指標を見つける必要があることが示唆された。
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