研究課題/領域番号 |
15K18293
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
佐々木 秀次 東京海洋大学, その他部局等, 助手 (00554958)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 舶用ディーゼル機関 / 排ガス計測 / 粒子状物質 / 煤じん計測 |
研究実績の概要 |
初年度(平成27年度)は、煤じん計測装置の作成・構築とともに、舶用4ストロークディーゼル機関の排ガス計測に関する項目を行った。 煤じん計測装置の試作・構築は、研究機器の図面作成、回路設計と機器選択、調達と、組立、試運転を中心に実施した。計測装置は主に、ロータリー型真空ポンプと、真空(サンプリング)回路、計測機器、制御回路、フィルター装置等により構成される。 装置の動作を行う制御回路は市販の汎用シーケンサ(PLC)によって構成し、各所の電磁弁、真空ポンプの電動機を駆動するインバータの周波数等を制御する。また、排ガスサンプリング位置に挿入した温度センサ(測温抵抗体)とピトー管から得られる排ガスの風速をPLCにて演算することで、等速吸引(排ガスサンプリング)のための条件を決定する。試運転試験で、排ガス管内の圧力脈動によるサンプリングフィルタのよじれ等が発生したが、フィルタケースの構成改良等でディーゼル機関の排ガス管内煤じん濃度計測を実施するための知見を得ることが出来ている。また、計測の安定性(計測結果の再現性)に関して研究と改良を進めている段階である。排気管内の粒子状物質の粒径分布計測に関しては、ガスサンプリング部分の構築(温度制御、背圧の均圧機構)等が完了し、計測開始段階となっており次年度(平成28年度)は、計測から開始する予定である。初年度得られた結果、構築した装置を使用し、次年度の研究を推進していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度(平成27年度)は、舶用4ストロークディーゼル機関の排ガスを対象とした粒子状物質の重量濃度計測、粒径分布計測および、次年度(平成28年度)に計測を開始する煤じん計測装置の構築を行った。ここで、排ガス中に含まれる粒子状物質および粒径分布計測では、一部の試験が未実施であり、次年度(平成28年度)では早急に引き続き計測を進める予定である。また、計測装置の構築では、安定性までの確認は行えているが、高負荷率時の排ガス流速が早い場合の再現性確認と、電子的計測部分の一部構築が未完了となっており、引き続き構築を進め、次年度計測に移行する予定である。 次年度(平成28年度)実施予定の項目には、初年度に予定していた研究と並列して進められる項目も有るため、並列して進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(平成28年度)の研究では、実施準備が整っている項目に関しては、予定通り研究を推進する。また、前年度(平成27年度)計画において、一部遅れている項目についても引き続き、平成28年度計画と共に並行して実施を進める。初年度(平成27年度)の一部遅れを生じている項目は大部分が、次年度計測を行う煤じん計測装置の構築であり、低負荷率時の計測安定性は確保できていることから、高負荷時の計測安定性も概ね機器調整は完了していると考えられる。また、扱う排ガス温度が高温になることから、その際に生じる問題が無いかどうかの検証を早期に進めていく予定である。また、次年度からは進捗管理間隔を増加させ、管理を頻繁に行い、進捗速度の修正を頻繁に実施し研究を推進していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度(平成27年度)は、実験実施にともなう消耗品の一部が、進捗の遅れを生じた一部の項目で未購入となった物が一部ある。また、機器構築に係る部品においても一部が未購入になっている。研究実施項目および必要な消耗品は変わらないことから、次年度ではこれらの消耗品を早期に使用することと、機器構築は予定通り進めることから、初年度の経費のうち、一部を次年度使用として計上を行った。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度未使用となった経費の殆どは、研究に係る消耗品(少額機器、機関運転費用等)であり、研究は進捗していることから、次年度上期で次年度使用額は使用する計画となっている。研究予定に含まれる舶用ディーゼル機関運転、運用費用等が多く含まれることから、研究の進捗に沿って使用する予定である。また、少額機器購入に関しては機器選択は初年度中に完了しており、次年度では早期に使用を開始する予定である。これらの次年度使用額と、次年度請求研究費を合わせた使用計画として、研究を実施、推進する予定である。
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