本研究では、核医学診断に用いられるテクネチウムを効率的に生成するために、その親核種であるモリブデンのナノ粒子を生成する手法の構築を行った。効率的にナノ粒子を生成するために球状脂質二分子膜(リポソーム)を反応場としてモリブデンナノ粒子の合成を行った。リポソームの内膜にモリブデンイオンを封入し、外側からカルシウムを添加することで難溶性のモリブデン酸カルシウムを生成する手法を採用した。様々な条件を最適化することで、数十nm程度の粒子を得ることができた。これは用いられている粒子よりも100倍程度小さいものである。
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