研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は、p/d-Li, Be反応を利用した加速器型中性子源の遮蔽設計の高度化を目指し、フランスGANIL-SPIRAL2の新しい中性子源施設NFS(Neutron forScience)を利用した、20-55 MeV中性子入射による遮蔽実験を実施することである。詳細な解析から、NFSのTOF室において、中性子スペクトロメータと箔放射化法によるスペクトルインデックス測定を併用したベンチマーク実験が可能なことを定量的に明らかにし、実験体系の準備と検出器の整備を完了した。
中性子工学
原子核物理学の観点では、本研究で取り扱う中間エネルギー領域は直接反応と前平衡過程が競合し、多くの多体反応のチャンネルが開くため、理論的に取り扱うにも現象論的に取り扱うにも困難な領域である。従来、このエネルギー領域を利用する中性子源施設はあまりなく、あっても強度がそれほど高くはなかったため、あまり詳細な検討がなされていない。本研究によって将来、同様の中性子源施設を設計する上での遮蔽設計の精度を高めることができ、安全、合理的かつ経済的な設計が可能になると考えられる。