環境試料中放射性核種のうち、α線及びβ線放出核種の濃度測定には、酸溶液を用いた有機物分解が必要であり、本研究では、酸溶液の代わりに圧力及び温度を制御することで有機物の分解が可能な「超臨界水」を用いて、放射能分析の効率化及び酸廃液量の削減を目指した。焼成した土壌及び灰化した海藻試料を対象として、反応条件(反応温度、反応時間等)を変化させて、有機物分解の適用可能性、安定Sr及びUの存在状態を調査した。 この結果、灰試料で、有機物分解の有効性を確認でき、高温、長時間の反応により分解された。また、土壌試料で安定Sr及びUの溶媒への抽出が確認できたが、海藻試料ではその大半が、試料中に残存していた。
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