細胞内イオン環境変化によってグリア前駆細胞から髄鞘を形成するオリゴデンドロサイトへ分化誘導できるかどうか検討するために、チャネルロドプシン―2を発現させたグリア前駆細胞に光刺激を行い、細胞の機能変化について解析した。光刺激したグリア前駆細胞は細胞内イオン環境変化を引き金として、PI3K/Akt/mTORシグナル伝達経路を活性化しオリゴデンドロサイトへと分化した。脱髄病変においても光刺激によってオリゴデンドロサイトへ分化誘導させることができ、脱髄の緩解と脱髄から生じる運動機能低下を回復させた。細胞内イオン環境を光操作することで細胞分化を制御できることが分かった。
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