本研究は、平面内細胞極性因子Vangl2によるシナプス接着分子Nカドヘリンの制御の分子機構を解明することを目的とした。正常な神経細胞ではNカドヘリンと後シナプスの主要な足場蛋白質であるPSD-95は相補的な局在を示すが、Vangl2の発現をshRNAで抑制させた神経細胞では、NカドヘリンとPSD-95の共局在が増加する異常が見られた。このことからVangl2が樹状突起においてPSD-95、Nカドヘリンの分布を制御している可能性が示唆された。また、シナプス形成に於いて、Vangl2によるNカドヘリンの制御の役割を遺伝学的に調べる過程で、その異常が二分脊椎を引き起こすことが判明した。
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