内側視索前野は視床下部吻側に位置し、多様な生得的行動の中枢的役割を担うことが知られている。しかし、その解剖学的な複雑性が障壁となり、亜領域レベルでの機能や解剖において不明な点が多かった。マウスを用いた解剖学的・機能的な解析により、我々はMPOA亜領域の解剖学的再検討を行い、分子マーカーに基づいた脳地図を作成した。また、性ホルモン受容体の発現と、分子マーカーの発現について報告した。それらのマップを基盤に、MPOAで養育行動・性行動・攻撃行動の際に活性化する神経細胞群の同定を行った。加えて、MPOAで養育行動・性行動・攻撃行動を制御する神経細胞群について検討した。
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