今後の研究の推進方策 |
これまでの解析から、成熟オリゴデンドロサイトにWwoxタンパク質が局在することが証明されている。しかしながら、その発現や局在が生後の中枢神経系の発達に伴ってどのように変動するかは不明である。そこで、中枢神経系でのWwoxの発現動態を平成27年度に採材した5, 10, 15, 21日齢の正常ラットの脳組織で経時的に解析する。具体的にはオリゴデンドロサイト前駆細胞から成熟細胞への分化の過程において、Wwoxの局在がどのように変化するのか、各種マーカーとWwoxの共染色を実施することにより明らかにする。また、同様の実験を平成27年度に確立したオリゴデンドロサイト前駆細胞の分離培養系を用いて実施する。その際、LDEラットから同様の細胞を作製し、正常動物由来の細胞との差異について検討を行う。具体的にはMBPなどの髄鞘マーカータンパク質の発現量の変化や、オリゴデンドロサイト前駆細胞の分化に関わる転写因子群のうちOlig1, Olig2, Nkx2.2, Sox10らのmRNA発現量測定する。これらの検討を行い、平成27年度に得られた結果と併せて考察することにより、オリゴデンドロサイト系譜細胞の増殖、分化、ならびに細胞機能におけるWwoxの役割を明らかにする。
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