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2016 年度 実績報告書

脳内Aβ産生を制御する新規分子ILEIに基づくアルツハイマー病の診断治療法

研究課題

研究課題/領域番号 15K18375
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

劉 磊  滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 特任助教 (90726829)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードアルツハイマー病 / アミロイドβ / γセクレターゼ / ILEI / Presenilin
研究実績の概要

1. アルツハイマー病(AD)発症要因における脳ILEI発現レベル低下の意義
ILEIはγセクレターゼ複合体に結合し、基質APP-C99の安定性を低下させAβ産生を抑制する。AD脳ではILEI発現レベルが低下していることから、この発現低下が脳内Aβ増加、引いてはAD発症の一次的要因として関与している可能性があり、モデルマウス作出を通してこれを検証する。ILEIが個体発生において機能する可能性があるため、CaMKIIプロモーター下で神経細胞に特異的、かつタモキシフェン(Tm)誘導性にILEI遺伝子欠失を操作できるコンディショナルノックアウト(ILEI-icKO)マウスの作出を進めている。ゲノム編集を行った受精卵から胚移植を行い産仔を得た。ゲノムPCR及びDNAシーケンシングによりILEI-floxedマウスを選別中である。
2. 診断バイオマーカーとしてのILEIの意義
ILEIは分泌タンパク質であり髄液中に検出される。臨床研究計画について倫理委員会から承認を受け、AD発症前ないし初期軽症例において、髄液中ILEIレベルを検討している。昨年度樹立済のELISAシステムを用い、現在まで15症例の髄液中ILEIの測定を行った。
3. ILEIを標的とする先制医療の探索
ILEIとPS1の結合様式を統計力学3D-RISM理論を用いて解析し、分子設計によるAβ産生阻害薬の開発を目指している。この結合はPS1のC末端細胞外領域にあるDQL配列の近傍であること、この結合が複合体形成に依存せず当該アミノ酸配列によることを見出した。今年度、ILEIの予測構造上にDQL配列の側鎖の分布をマッピングした結果、ILEIのPS1認識部位の候補として、Lys84残基の近傍が特定された。現在、Lys84置換変異体を作製して、培養細胞を用いて解析を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Neuronal expression of ILEI/FAM3C and its reduction in Alzheimer's disease.2016

    • 著者名/発表者名
      Liu L, Watanabe N, Akatsu H, Nishimura M
    • 雑誌名

      Neuroscience

      巻: 330 ページ: 236-246

    • DOI

      10.1016/j.neuroscience.2016.05.050.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Aβ産生抑制タンパク質ILEI/FAM3Cの脳内発現様式と加齢に伴う発現減少2016

    • 著者名/発表者名
      渡邊 直希、劉 磊、赤津裕康、西村 正樹
    • 学会等名
      第35回日本認知症学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-12-01 – 2016-12-03
  • [学会発表] Amyloid-β蓄積を抑制するILEI/FAM3Cのニューロンにおける発現とアルツハイマー病脳における発現低下2016

    • 著者名/発表者名
      渡邊 直希、劉 磊、赤津裕康、西村 正樹
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
  • [学会発表] Brain distribution and subcellular localization of ILEI/FAM3C and its reduction with aging.2016

    • 著者名/発表者名
      Naoki Watanabe,Lei Liu,Masaki Nishimura
    • 学会等名
      第39回日本神経科学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-07-20 – 2016-07-22

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公開日: 2018-01-16  

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