研究課題
我々は、小胞体ストレス応答シグナルに関わる複数の新規小胞体ストレスセンサー分子を同定し、生体内における機能を明らかにしてきた。本研究では、グリア細胞(アストロサイト)に優先的に発現する小胞体ストレスセンサーOASISの神経疾患との関連性を明らかにするために、アストロサイト特異的にOASISの発現を欠損させたコンディショナルノックアウト(cKO)マウスの作製を試みた。1)OASIS cKOマウスの作製OASIS遺伝子ゲノムのExon2をloxP配列で挟むターゲッティングベクターを構築した。このターゲッティングベクターを導入した組み換えES細胞株を樹立し、キメラマウス作製およびヘテロマウス作製を行った(OASIS floxマウス)。一方、アストロサイト特異的骨格タンパク質であるGFAPをコードする遺伝子のプロモーター下流にCreリコンビナーゼ遺伝子を挿入したGFAP CreマウスをOASIS floxマウスと交配させることにより、OASIS cKOマウスを作製した。このマウスは、肉眼的異常は無く正常に出生・発育した。2)OASIS floxマウス由来不死化アストロサイトの樹立アストロサイトにおけるOASIS機能の詳細を調べることが可能なin vitro解析系を構築するため、OASIS floxマウスよりアストロサイトを初代培養し、SV40発現により不死化細胞株を樹立した。この不死化細胞に、Creリコンビナーゼをレトロウイルスで発現させると、OASISの発現が顕著に低下することが確認できた。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
PloS ONE
巻: 10:e0125982 ページ: 1-17
10.1371/journal.pone.0125982
Journal of Cell Science
巻: 128 ページ: 4353-4365
10.1242/jcs.176057