動物実験における適正な麻酔・周術期管理は、実験動物福祉の理念を遵守するうえで極めて重要であり、さらに実験成績の信頼性や再現性を確保するうえで不可欠となる。本研究では、周術期におけるラットの各種麻酔法の作用特性を比較検討した。手術侵襲下における麻酔深度やバイタルサイン、さらに術後の疼痛レベルや炎症性サイトカイン発現、組織修復過程に関して、各麻酔法の薬理学的特性を明らかにした。本研究で得られた知見は、ラットの手術麻酔の標準化に向けた基盤情報を提供するとともに、周術期管理の向上に寄与するものとして有用である考えられた。
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