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2017 年度 実績報告書

マウス進行性難聴発症に作用する機能ゲノム多型の同定

研究課題

研究課題/領域番号 15K18393
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

関 優太  公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 研究員 (10615636)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードミオシンVI / 難聴 / 実験動物学 / 遺伝学 / モデルマウス / 機能ゲノム多型 / ヒト変異模倣マウス
研究実績の概要

ミオシンVI(Myo6)突然変異は優性の進行性難聴の発症原因となる。これまで本研究では、Myo6-ksvヘテロマウスが生じる進行性難聴はミスセンス変異(p.Glu461Lys)の優性効果に加え、カドヘリン23多型の効果により表現型が重篤化することを明らかにした。本年度は、第二の目的であったヒト優性難聴発症の原因となる変異部位(p.Cys442Tyr)を模倣したモデルマウスを樹立し、その変異効果を検証した。
MYO6-p.Cys442TyrマウスはCRISPR/Cas9システムを介して作製し、変異アレルホモおよび野生型/変異アレルヘテロ個体の聴力に関わる表現型を調査した。2ヵ月齢のホモ接合体の聴力レベルを聴性脳幹刺激反応(ABR)の測定によって調査した結果、ホモ接合体は測定した4, 8, 16および32 kHzのすべての周波数音で重度難聴を発症し、歪成分耳音響放射(DPOAE)もほぼ検出されなかった。また、同月齢のヘテロ接合体は4および32 kHz の周波数音のABRにおいて中等度および高度難聴が示唆され、DPOAEも野生型と比べ有意に低下していた。次に、有毛細胞の表現型を観察した結果、ホモ・ヘテロ個体にはともに外有毛細胞の部分的な脱落が検出され、ホモ個体では感覚毛融合も認められた。さらに、MYO6の有毛細胞における局在を調査した結果、ホモ・ヘテロともに異常局在が認められたことから、本研究の結果は、先行研究のキネティクス解析により示唆されているMYO6-p.Cys442Tyr変異によるミオシンモーター機能の低下を支持するものとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A novel splice site mutation of myosin VI in mice leads to stereociliary fusion caused by disruption of actin networks in the apical region of inner ear hair cells.2017

    • 著者名/発表者名
      Seki Y, Miyasaka Y, Suzuki S, Wada K, Yasuda SP, Matsuoka K, Ohshiba Y, Endo K, Ishii R, Shitara H, Kitajiri SI, Nakagata N, Takebayashi H and Kikkawa Y
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 12 ページ: e0183477

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0183477

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マウスにおけるミオシンVIのスプライス部位変異は蝸牛有毛細胞の頂部領域におけるアクチンネットワーク破綻に起因した感覚毛融合へと導く2017

    • 著者名/発表者名
      関 優太,宮坂勇輝,鈴木沙理,吉川欣亮
    • 学会等名
      第64回日本実験動物学会総会
  • [備考] 哺乳類遺伝プロジェクトホームページ

    • URL

      http://www.igakuken.or.jp/mammal/index.html

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公開日: 2018-12-17  

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