鉄短期投与モデルマウスを用いた検討では、網羅的遺伝子発現解析とdigital PCRによる解析で糖代謝関連酵素の発現が亢進していた。そのため、糖代謝の中間産物である2-ヒドロキシグルタル酸を測定したところ鉄過剰群では有意に増加していた。さらに、DNAメチル化も鉄過剰群で有意に増加していた。このことから鉄過剰により糖代謝関連酵素の発現亢進を介してDNAメチル化が起こると考えられた。 次に鉄長期投与モデルマウスを作成し検討を行ったが、鉄長期投与群ではDNAメチル化が低下していた。メチル化の低下により造血器腫瘍の発症に関与するとされる遺伝子の発現に有意差は認めず、今後さらに検討を行う予定である。
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