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2015 年度 実施状況報告書

IDH変異による軟骨腫瘍発生メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K18398
研究機関東京大学

研究代表者

平田 真  東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (50401071)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード腫瘍 / 軟骨 / 代謝
研究実績の概要

軟骨特異的に変異型IDH1,IDH2を発現するマウス(Col2a1-Cre; Idh1LSL, Col2a1-Cre;R26-IDH1, Col2-Cre;R26-IDH2)を作出し、その表現型を確認した。まず、これらのマウスにおいて変異型IDH1/2が産生することが知られるD-2HGの軟骨組織中の濃度を質量分析により確認したところ、いずれの系統のマウスにおいてもそのレベルが野生型と比べて高値であることが確認できた。今回軟骨特異的に遺伝子組み換えを起こすためにCol2a1-Creマウスを用いたが、一部の遺伝子改変マウスは生直後に死亡し、成体マウスを得ることは困難であった。胎生期に得られた遺伝子改変マウスの表現型をAlcian Blue-Alizarin Red骨格二重染色および組織学的(HE染色、Alcian Blue染色、von Kossa染色、Col10a1免疫染色)に確認すると、軟骨分化の遅延および石灰化障害が生じていることが確認できた。このマウスによる成体での解析が困難であったため、タモキシフェン誘導下にCreによる遺伝子組み換えを生ずることのできる、Col2a1-Cre/ERT2マウスとの掛け合わせを行い、生後4週齢よりタモキシフェンを投与して、生後において軟骨特異的に変異型IDH1/2を発現するマウスを作出した。タモキシフェン投与完了後3ヶ月での長管骨(大腿骨・脛骨)において、その表現型を確認すると成長板軟骨の分化障害による不整があり、その近傍に複数の腫瘍様組織を認める系統があった。この腫瘍組織を組織学的に検討するとSafranin O染色により赤く染色され、軟骨組織様であり、内軟骨腫と類似の形態を示していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Col2a1-Creとの掛け合わせによる遺伝子改変マウスの系統は生直後に死んでしまう表現型を呈しており、生後の解析が困難であった。このため、改めてCol2a1-Cre/ERT2を用いてタモキシフェン誘導下での解析を行ったが、このマウスの作出およびタモキシフェン投与後の解析までには数ヶ月単位の時間を要した。

今後の研究の推進方策

現在、変異型IDH1/2発現マウスとp53floxマウスとの掛け合わせも並行して進めており、解析までに時間は掛かるものの、解析準備は整ってきている。平成28年度は引き続きこれらマウスの表現型を確認するとともに予定している変異型IDH1/2に対する阻害剤を用いた腫瘍抑制効果の検討も進めていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] University of Toronto/Hospital for Sick Children/Mt. Sinai Hospital(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      University of Toronto/Hospital for Sick Children/Mt. Sinai Hospital
  • [雑誌論文] Identification of CD146 as a marker enriched for tumor-propagating capacity reveals targetable pathways in primary human sarcoma.2015

    • 著者名/発表者名
      Wei Q, Tang YJ, Voisin V, Sato S, Hirata M, Whetstone H, Han I, Ailles L, Bader GD, Wunder J, Alman BA.
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: 6 ページ: 40283-94

    • DOI

      10.18632/oncotarget.5375

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2017-01-06  

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