軟骨肉腫ではイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)1/IDH2の体細胞変異が高頻度に生じていることが知られている。本研究の目的は組織特異的に変異型IDHを発現するマウスを作成し、軟骨腫瘍発生、進展メカニズムを解明することである。軟骨組織特異的に変異型IDH1、IDH2を発現するマウスを作成し成長したマウスを解析したところ、変異マウスでは成長板軟骨の形態異常を認めた。この表現型は特にIDH2変異を発現するマウスにおいて顕著であった。さらにこの変異マウスにおいてp53-floxマウスとの掛けあわせにより軟骨組織でのp53の欠損も生じさせたが、生後3ヶ月までの経過では骨腫瘍の発生を認めなかった。
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