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2016 年度 実績報告書

がん蛋白質SHP2によるParafibromin機能制御の医学生物学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K18399
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 昌史  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00624496)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードParafibromin / SHP2 / YAP / PTK6 / 選択的スプライシング
研究実績の概要

課題(1):脱リン酸化状態のParafibrominを機能模倣するリン酸化抵抗型Parafibrominをコンディショナルに発現するコンパウンドマウスの樹立を進めている。副甲状腺がん症例で見られる変異型Parafibrominを模したC端側欠失型のParafibromin改変体を胎生期マウスに発現させた結果、発生異常による致死が見られた。胚の発生および形態形成に関わるシグナル伝達経路へのParafibromin関与を検討し、Parafibrominがチロシンリン酸化/脱リン酸化状態に依存してWnt経路/Hedgehog経路/Notch経路のシグナル伝達ハブ分子として機能することを報告した(Kikuchi et al, Nat Commun 2016)。SHP2と拮抗的に働く、Parafibrominのチロシンリン酸化の責任キナーゼとしてPTK6を報告した(Kikuchi et al, Nat Commun 2016)。
課題(2):ヒトYAPタンパク質は、エキソン6がコードするアミノ酸領域を含むスプライスバリアントと含まないスプライスバリアントに大別される。本研究で両YAPスプライスバリアント間でSHP2への結合性およびロイシンジッパー構造の機能に差異があることを明らかにした。YAP遺伝子のエキソン6周辺の塩基配列情報をもとに、エキソン6の選択的スプライシングに関わる制御分子(制御分子X)の候補を選抜した。制御分子Xを一過性発現あるいは発現阻害した哺乳動物細胞株を作製し、逆転写-PCR解析を行った結果、親細胞株と比較してYAPのエキソン6におけるスプライスパターンの変化が見られた。野生型マウスの複数の臓器からmRNAとタンパク質を抽出し、Yapエキソン6のスプライスパターンと制御分子Xの発現強度の間の相関の有無を解析した。以上の実験より制御分子Xは、YAP/Yapのエキソン6の選択的スプライシングに関わることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Dephosphorylated parafibromin is a transcriptional coactivator of the Wnt/Hedgehog/Notch pathways.2016

    • 著者名/発表者名
      Kikuchi I, Takahashi-Kanemitsu A, Sakiyama N, Tang C, Tang Pei-Jung, Noda S, Nakao K, Kassai H, Sato T, Aiba A & Hatakeyama M
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 7 ページ: 12887

    • DOI

      10.1038/ncomms12887

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Parafibromin転写足場タンパク質機能のリン酸化依存的制御2016

    • 著者名/発表者名
      菊地逸平、高橋昌史、畠山昌則
    • 学会等名
      第75回 日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-10-06 – 2016-10-08
  • [学会発表] LEOPARD症候群由来変異型SHP2ホスファターゼのparafibrominに対する触媒活性の同定2016

    • 著者名/発表者名
      野田沙織、高橋昌史、林 剛瑠、畠山昌則
    • 学会等名
      第75回 日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-10-06 – 2016-10-08

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公開日: 2018-01-16  

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