本研究では、(1)効率的に血行性骨転移を形成する新規モデルマウスの開発と、(2)がん細胞と骨髄間質細胞の相互作用を通した骨転移分子機構の全面解明を目指した。(1)に関して、これまでに骨転移研究で用いられてきたモデルの欠点を解消した尾動脈移植モデルを開発し、骨転移研究に広く有用であることを確かめた。さらに、尾動脈骨転移モデルを用いて(2)に取り組んだ。非侵襲イメージングによる解析から、骨転移形成過程において鍵となる転写因子群が特定のタイミングで活性化することが明らかになり、これらががん細胞と骨髄間質細胞の相互作用とリンクしていることが示唆された。本成果の一部は論文にまとめ、査読・改訂中である。
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