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2015 年度 実施状況報告書

遺伝子増幅を標的とするがん治療の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K18413
研究機関鹿児島大学

研究代表者

南 謙太朗  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任研究員 (20735956)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード遺伝子増幅 / 抗がん剤耐性
研究実績の概要

がん遺伝子の遺伝子増幅は腫瘍の発生、進展、患者の予後に関わり、がん治療にきわめて重要であるものの、がん遺伝子の増幅の制御機構はこれまでよくわかっていない。これまでに遺伝子増幅が原因で耐性を獲得した細胞にある遺伝子を発現させると、遺伝子増幅が減少すること明らかにした。しかし、遺伝子増幅がどのように制御されているのかについては不明である。そこでこの遺伝子が遺伝子増幅を抑制する機構を解析し、DNAのcopy数の変化を伴う変異の発生とその修復機構の全体像を明らかにし、遺伝子増幅を標的とする腫瘍治療の可能性について検討した。
テトラサイクリン誘導性のレンチウイルスベクターに遺伝子増幅を抑制する遺伝子を組み、まず、MYCNの遺伝子増幅が減少するかをMYCNが遺伝子増幅している神経芽腫細胞SK-N-BE細胞にレンチウィルスを感染させた。しかし、レンチウィルスを感染させたSK-N-BE細胞はドキシサイクリン添加後2か月後まで継時的にコピー数を確認したところ、コピー数の減少は見られなかった。そこで、次にこれまでコピー数の減少が見られた細胞にレンチウィルスを感染させて検討を行ったが、減少効果がわずかであった。
現在、テトラサイクリン誘導系でコピー数が優位に減少する細胞(遺伝子)を選択中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

テトラサイクリン誘導系で優位にコピー数が減少する細胞が得られず、また、テトラサイクリン誘導系の細胞の樹立に時間がかかってしまった。

今後の研究の推進方策

現在、他の遺伝子増幅が起きている細胞にレンチウィルスを感染させてコピー数の減少を検討中である。減少効果が認められれば、マウスにこの細胞を移植し、治療効果等を観察する。
また、遺伝子増幅を抑制する遺伝子の機能解析を行うため、レポータープラスミドを作成し制御遺伝子の探索を行う。さらに、RNAseq、CHIPseqを行い、この遺伝子の制御機構をさらに解析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

テトラサイクリン誘導系遺伝子細胞の樹立に時間がかかってしまった。そのため、ヌードマウスへの移植実験や以降の発現制御解析が行えなかった。

次年度使用額の使用計画

現在、RNAseqとCHIPseqを外注予定である。また、テトラサイクリン誘導系細胞が作製できれば、ヌードマウスを購入する予定である。その他、試薬や培養用器具等の物品、成果発表のための旅費、論文投稿料等を計画している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ATP7B expression confers multidrug resistance through drug sequestration.2016

    • 著者名/発表者名
      Moinuddin FM, Shinsato Y, Komatsu M, Mitsuo R, Minami K, Yamamoto M, Kawahara K, Hirano H, Arita K, Furukawa T.
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: NA ページ: NA

    • DOI

      10.18632/oncotarget.8059

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 核小体の完全性維持機構による細胞分裂制御と抗腫瘍薬の開発2016

    • 著者名/発表者名
      川畑拓斗、河原康一、上條陽平、白石岳大、堀口史人、山本雅達、新里能成、南謙太朗、有馬一成、濱田季之、古川龍彦
    • 学会等名
      日本薬学会 第136年会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市:パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-29
  • [学会発表] 癌抑制因子p53を制御する核小体ストレス応答の可視化レポーターシステムの構築と新たな生理作用の解明2015

    • 著者名/発表者名
      川畑拓斗、河原康一、上條陽平、白石岳大、堀口史人、山本雅達、新里能成、南謙太朗、有馬一成、濱田季之、古川龍彦
    • 学会等名
      第38回分子生物学会年会
    • 発表場所
      兵庫県神戸市:神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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