本研究では、時期特異的な発がん感受性の機構を明らかにする目的で、乳腺におけるbivalent修飾の解析を行った。ラット乳腺上皮細胞のChIP-chipから、高感受性時期の乳腺上皮細胞に特異的なbivalent遺伝子91個を抽出した。その内、乳腺腫瘍でDNAメチル化を受けているのは7遺伝子であった。4遺伝子は、正常乳腺上皮細胞で低発現であり、ヒト乳がんでメチル化サイレンシングのがん抑制遺伝子も含まれていた。以上のことから、発がん物質に高感受性時期の乳腺のbivalent遺伝子が同定された。それらの一部は、がんでDNAメチル化されており、発がんにおけるbivalent修飾の意義が示唆された。
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