地域がん登録を用いてがん罹患推移を検討する場合、登録率が罹患数に影響を与えるため、登録率の変動の影響を調整する必要がある。本研究ではがん登録の登録率やがんのリスクファクターである生活要因の変動が罹患推移に与えた影響を評価した。 拠点病院の整備に起因する届出数の増加による登録率の向上が年次推移に影響を与える大きな要因の1つであった。今回対象とした地域では、登録率の向上を補正した場合にはがん罹患数の大きな増加は見られなかった。これらの傾向は地域によって異なることが予想される。今後、他地域での検討を続け、結果を日本全体に適用できるか評価することが重要である。
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