研究課題/領域番号 |
15K18427
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
古田 拓也 金沢大学, 大学病院, 医員 (20646690)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | バイオマーカー / グリオーマ / プロテオミクス |
研究実績の概要 |
申請者の所属施設において治療を受けた35例の神経膠腫症例及び5例の正常コントロール症例から採取した脳脊髄液(髄液)に関して解析が終了した。前者は術前検査の一環で行う髄液細胞診検査の余剰分を研究に用い、後者は脳腫瘍とは無関係の未破裂脳動脈瘤3例、顔面痙攣1例、海綿状奇形1例の手術中に流出する髄液を研究に用いた。神経膠腫の中でも最悪性の膠芽腫については治療前、治療後の2ポイントで、それ以外の神経膠腫では治療前の1ポイント髄液を採取した。これらの髄液サンプル中のタンパク質を液体クロマトグラフィー接続型タンデム質量分析計を用いた定量プロテオミクスSWATH法で網羅的に比較定量を行った。治療前におけるタンパク質プロファイルからピックアップした膠芽腫に特異的な分子に関して、膠芽腫の治療前後での変動を比較し病勢診断に有効と考えられるタンパク質を同定した。正常コントロール及び膠芽腫以外の神経膠腫と比較して治療前で膠芽腫に有意にの高発現を呈し、膠芽腫の治療前後のサンプルを比較して治療後に発現が1/2以下に低下したタンパク質を20種類同定した。これらのタンパク質は機能を有する膜タンパク質や炎症や免疫応答で発現が誘導されるタンパク質であり膠芽腫の生物学的特性における役割については未知でありバイオマーカーとしては新規性の高いものであった。以上よりバイオマーカー探索においてSWATH法が有効な手法であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
髄液サンプルの収集及びプロテオミクス解析は順調に進行している。得られたバイオマーカー候補分子に関しては既に報告のあるものや新規性の高い分子も存在しており、プロテオミクスの信頼性の担保と新規マーカーの同定への期待がもたれる。
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今後の研究の推進方策 |
髄液サンプルの収集、蓄積を進め解析数を増やしていく。病勢診断に有効と考えられるバイオマーカー候補タンパク質に関して膠芽腫における機能解析を行い、腫瘍組織における役割を解明しマーカーとしての妥当性を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属機関での職務の都合上、学会参加の日数が予定を下回り旅費が減少したため。
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次年度使用額の使用計画 |
バイオマーカーの妥当性検証実験として行うウエスタンブロット/免疫組織化学用の抗体及び消耗品の購入。
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