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2017 年度 実績報告書

腫瘍マクロファージが誘起する腫瘍細胞の幹細胞特性獲得機序の解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K18435
研究機関北海道大学

研究代表者

米田 明弘  北海道大学, 産学・地域協働推進機構, 特任助教 (00451419)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード腫瘍マクロファージ
研究実績の概要

本申請研究は、多剤化学療法や分子標的治療の問題点である『腫瘍細胞の抗癌剤耐性能獲得』を解決すべく、腫瘍マクロファージ(Tumor-associated macrophages; TAMs)が『腫瘍細胞の幹細胞様特性の獲得とそれに伴う発ガン活性促進』を誘導する分子機序の解明を行い、臨床応用されている分子標的薬の治療効果改善のための基礎的知見を得ることを目的としてきた。平成27年度および平成28年度に引き続き、平成29年度期間中にTAMsのによるヒト腫瘍細胞の幹細胞様特性獲得誘導の解析を行ってきた結果、In vitro培養系における共培養により、ヒト腫瘍細胞の一部が幹細胞様特性を獲得すること、フローサイロメトリーによる幹細胞様特性を有する腫瘍細胞を分離して、免疫不全マウスへ移植すると、非常に高い腫瘍形成能を有することが明らかとなった。また、腫瘍より採取したTAMsの遺伝子解析の結果、いくつかの責任因子を同定することができた。さらに、責任因子の欠損マウスを作製し、腫瘍細胞移植後の腫瘍形成能の解析を行ったところ、腫瘍形成の抑制が確認され、さらに、転移能の抑制も確認することができた。この責任因子を欠損したTAMsと腫瘍細胞の共培養実験においても、腫瘍細胞の幹細胞様特性の獲得が抑制されることが明らかとなった。最後に、責任因子に対する中和抗体と抗癌剤との併用療法を行ったところ、腫瘍形成能の抑制を確認する事ができた。期間全体を通じて、TAMsの腫瘍細胞への幹細胞様特性を付与する分子機序の一端を明らかにする事ができ、さらに、難治性癌に対する新規治療法の開発へ繋がる基礎的知見を得る事が出来た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Endoplasmic reticulum oxidase 1α is critical for collagen secretion from and membrane type 1-matrix metalloproteinase levels in hepatic stellate cells2017

    • 著者名/発表者名
      Fujii M, Yoneda A, Takei N, Sakai-Sawada K, Kosaka M, Minomi K, Yokoyama A, Tamura Y.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 292 ページ: 15649-15660

    • DOI

      10.1074/jbc.M117.783126.

    • 査読あり
  • [学会発表] HSP47 maintains cancer cell proliferation via its inhibitory effect on ER stress sensor IRE1α activity2017

    • 著者名/発表者名
      Yoneda A, Takei N, Sawada K, Kosaka M, Minomi K, Tamura Y
    • 学会等名
      第76回日本癌学会学術集会
  • [学会発表] 癌細胞におけるHSP47のERストレスセンサーIRE1aの活性調節機構2017

    • 著者名/発表者名
      米田明弘、武井則雄、澤田香織、小坂まりな、味呑憲二郎、田村保明
    • 学会等名
      第40回日本分子生物学会

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公開日: 2018-12-17  

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