研究実績の概要 |
本研究では膵癌における Sox9 の機能について、抗癌剤耐性、特に Cancer Stem Cell との関連を膵癌細胞株を用いて解析する事が第一の目的である。そこで膵癌細胞株Panc1, CFPAC1, BxPC3, AsPC1, Capan1, Miapaca2の6種類におけるSox9発現をPCRおよびWeastern Blotを用いて比較し、Sox9の高発現株であるPANC-1および低発現株であるBxPC-3を用い、Gemcitabineおよび5-FUに対する感受性テストを行った。Sox9の高発現株で、抗がん剤耐性を示すことを見出した。さらにSox9をsiRNAを用いてノックダウンすることにより、抗がん剤耐への感受性が増すことを確認した。次に癌幹細胞の性質の一つである自己複製能につきsphere formation assayを行った。Sox9高発現株ではultra low attachment plate上で特殊培養液中において、sphereの形成を認めたが、Sox9をsiRNAを用いてノックダウンすることによりSphereの形成率が減少した。 さらに膵癌のcancer stem cellマーカーとして知られる、CD44,CD24の発現につき検討した。cancer stem cellの性質を示すとされる、CD44 high CD24highの細胞はSox9をsiRNAを用いてノックダウンすることにより減少することが示された。 癌幹細胞の性質の一つである腫瘍形成能についてもヌードマウスにおける皮下腫瘍モデルを用いSox9との関連につき解析中である。
|