ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACI)の一つであるSAHA(Vorinostat) をヒト急性T細胞性白血病細胞株Jurkatに処理した際のH3アセチル化変化をChIP-seqにより解析し、SAHA処理によりアセチル化が亢進する遺伝子を明らかにした。SAHA処理による遺伝子発現量変化を解析したところ、4,784遺伝子がSAHA処理により発現上昇したが、このうちH3アセチル化も同時に検出されたのは329遺伝子(約7%)であった。HDACIの直接的な標的を探索する場合には発現量変化だけでなくアセチル化状態の変化も考慮する必要があると考えられる。
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