全ての生物は絶えず変化する環境要因にさらされており、その主な要因の一つは栄養である。我々は、栄養バランス変化に対する適応機構を明らかにするために、食性の異なるショウジョウバエ近縁種群に注目した。モデル生物キイロショウジョウバエは異なる食餌条件下で代謝の恒常性を維持できるのに対して、一部の近縁種では、多数の代謝産物が高炭水化物食条件下で増加していた。解析を進めた結果、代謝恒常性の維持および食餌への適応は、全身性シグナリングによる栄養依存的な遺伝子発現調節によって支えられているとの仮説に至った。そこで、現在その分子機構の解明に向けて機能解析を行っている。
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